メディカルチェックと運動効果

糖尿病運動療法を開始する前には、合併症があるなしに関係なく、糖尿病の方はメディカルチェックにより検査を受けます。このメディカルチェックを受けることで、糖尿病の症状を患っている方それぞれの適正運動量を決定したり、今まで分からなかった、その他の合併症や病気などを、発見することもできます。合併症のある方は、運動を行いながら心電図をとったり、血圧を測定したりします。また、運動終了後の尿タンパクの測定結果から、適正な運動量を割り出します。これらの検査は、過度の運動により、心臓発作や眼底出血、腎症を悪化させてしまったり、運動量が適正量に満たないなどのデータを測定するものですから、医師の指示に従って行うべきでしょう。その他、血糖値が250mg/dl以上で、尿ケトン体が陽性を示し、収縮期血圧が180mmHg以上、脈拍が一分間に100回以上ある時は、運動を休む基準になります。 運動をすると脂肪を消費しやすい体に変えてくれます。また、血圧が下がります。体の中にあるブドウ糖を消費しますので、血糖値が下がります。筋肉細胞のインスリンに対する反応が高まります。運動をすると血糖値は、上がることもあれば下がることもあります。通常、運動によって消費したブドウ糖は、肝臓で、消費された量だけ作られて、血糖値は、正常範囲内に戻ります。インスリンは、肝臓において、ブドウ糖の産生を抑制する作用があり、このため、インスリン療法を行っていると、運動によって消費されたブドウ糖を肝臓で作り出すことができず、低血糖を引き起こします。反対に、インスリンが不足した状態で運動をすると、筋肉でブドウ糖が消費されません。それでも肝臓は、運動した量に見合うブドウ糖を産生しますので、更に血糖値が上昇します。