錆を防ぐβカロテン

ダイエットで摂取エネルギーを制限していたり、バランスのとれていない食生活、糖尿病などの持病があるケースでは兎角必要な栄養素が不十分となります。そのような場合に有用なのが、ビタミンAやB群、C、E、D、Kなどを配合するマルチビタミンです。抗酸化物質(こうさんかぶっしつ)と言われているものにはβカロテンやビタミンC、Eなどがありますが、他にもコエンザイムQ10やカテキン、ポリフェノールなどがあります。これらはいずれも体の錆を防ぐ機能があります。 βカロテンは体内に吸収されるとビタミンAに変換される物質であり、プロビタミンAのことを言います。この成分は緑黄色野菜に含有されており、腸管での吸収によってビタミンAに変化します。細胞膜が活性酸素に起因して損傷するのを防いだり、不足したビタミンAを補給する役割を持ちます。 ビタミンCには活性酸素を中和する作用があり、これによって脂質及びたんぱく質の酸化を防止します。更に細胞間に存在する接着部分を構成するコラーゲンの合成にも関与しています。コラーゲンは、細胞間をしっかりとつないで肌の張りを維持しているため、不足すると緩みが出たり、出血傾向を招きます。他にも、免疫力を強くしたり、ステロイドホルモンを作ったりして、ストレスに対する抵抗性を高める働きがあります。 ビタミンEは過酸化脂質の発生を防止する作用があります。過酸化脂質は細胞の脂質が酸化することで増加しますが、Eにはこれを防ぐ働きがあります。またコレステロールの酸化も防ぐため、動脈硬化の進行を抑制する作用も期待されています。その他、更年期障害にも有効と言われており、これは女性ホルモン分泌促進作用によるものと考えられます。