コーヒーによるアルファー波の出現と便通改善

心電図を用いて人間にコーヒーの匂いを嗅がせると、副交感神経の方が優位に立ったとする実験があります。交感神経はアドレナリンに統制されていますが、コーヒーの芳香成分によって鎮静作用が現れたものと考えられます。同じ条件で脳波を調べると今度はアルファー波が出るようです。このことはストレスに耐性を持たせたり、精神状態をリラックスさせる働きがあることを意味します。しかし不思議なことにコーヒーを好む人と好まない人とでは、変化があります。つまり、好む人のアルファー波は強く現れ、好まない人間ではあまり変動が現れません。芳香成分と脳や精神状態の関係はそのエビデンスが不足しています。個人差はあるものの、香りによって脳が何らかの反応を示すのも明確のようで、今後の研究に期待されるところです。 コーヒーを飲んで便通が改善されるという話はよく聞きますが、その理由は明確にされていません。しかし副交感神経が優位になったとき、腸の蠕動運動に影響が出るようです。つまり含有される成分に、副交感神経に影響を及ぼすものがあるのではないかともいえます。香りは揮発性成分ですが、コーヒーには不揮発性成分もあります。飲んだ際の便通への影響は、この不揮発性物質によるものではないかとの指摘がなされています。