農作物の病害虫

人間がはじめて同じ作物を栽培し出してからおよそ一万年以上経ちますが、その頃から雑草による苦悩や害虫、作物の病気などさまざまな問題に晒されてきたと思われます。同じ場所で単一の農作物を栽培したケースでは、一度害虫が食いつくと一瞬にして被害は拡大します。病害虫は人間が生活を営んでいく上で、非常に悩まされてきたことでもあります。しかし、人間もこの問題を黙って見ているわけが無く、当然色んな方法が試されてきました。例えば、病気にかかりにくい新種を育ててみたり、栽培技術の改善を図ったりなどです。近年、科学技術の飛躍的な発展から農薬が使われるようになり、その効果は絶大で生産の増大に大きく影響しました。 ところが農薬の普及は環境への悪影響や食品としての安全性を損なうということからかなり問題視されるに至りました。そもそも人間の体に害悪を与える食物などは論外で、こういった残留農薬などに対して世界保健機構や国連食糧農業機構といった世界機関がその問題を重要視して動き出しました。このとき、農薬が害虫に対する効果だけを評価してきた考え方は消滅し、その後環境へ悪影響を与えず、食品としてより安全性の高いものが流通できるように基本的な方針が出来上がったとされます。それまで利用されていた農薬は日本でもその使用が禁止され、その後規制も強化されるに至っています。 消費者の立場では農薬による危険は避けたいものの、害虫に侵されていない、味の良い品種で、外観も綺麗なものを要求する傾向にあり、更に加えて言えば値段も安い方がいいでしょう。しかし、これは農業を行っている人にとっては難しい問題で、生産者と消費者の間には色々誤解が生じているようです。今日、消費者が摂取している農作物は野生種と違って、病気や害虫に対する抵抗性があまりありません。品種改良によって味の質も良くなっていて、その生産量も増加していますが、さまざまな問題点が残っているようです。