脂肪細胞・アディポネクチン
沢山の脂肪を詰め込むことが可能な細胞を脂肪細胞と言います。もともとは液滴状に見られる脂肪が一旦蓄えられ出すと、次第に他の領域にも広がり当該液滴がそれぞれ結びついて大きくなっていきます。最終的には細胞本来の大きさより膨張し、パンパンになります。内部はほとんど脂肪の袋で占められ、細胞質は端っこの方に追いやられます。このため、細胞内小器官であるミトコンドリアや細胞核は変形してしまいます。
人間の体の中でエネルギーが不足する状況が続くと、この脂肪細胞がそのエネルギーとして使われますが、肥満は上記のように脂肪細胞が大きく膨らんだ状態を言います。また漿液性脂肪細胞はこうして蓄積された脂肪が細胞から取り出されて縮小したものを指しています。
アディポネクチンは脂肪組織のみで生成されているホルモンであり、近年胃癌を抑える働きや血圧低下の作用を持つのではないかと注目されています。特に内臓の周りに存在する脂肪細胞の場合、脂肪の蓄積の他にも多くの働きがあるようです。しかし、このホルモンは脂肪が蓄積されてしまうとアディポネクチンの分泌量を減少させてしまうため、肥満自体には何のメリットもありません。