烏瓜/カラスウリ[からすうり]

カラスウリの概要

カラスウリの実は朱赤色で、その形状は楕円形をしています。木々に様々に絡みつき、夏の夕方に開花します。その姿は、周りに白色の糸を拡張させながら舞うような感じで、次の日の朝には多くが萎みます。カラスウリの種は黒褐色をしていて、朱赤色をした実の中にあります。実は凡そ4センチ程度で、この中から種子を採取し、これを天日干しで乾燥させて利用されています。日本では、乾燥させたカラスウリの種子を水で煎じ、それを飲用すると催乳に働きかけると言われています。また、成熟したカラスウリの果実の果肉を潰して酢に浸したものは、あかぎれやしもやけ、乾燥肌といった症状に用いられています。一方、食材としても用いられており、塩漬け及び粕漬けといったものに、まだ熟していない青い果実が使われています。食感のある漬物として定評があります。別名では、「ムスビショウ」、「キツネノマクラ」、「タマズサ」、「ヘボッチョ」などと呼ばれており、漢方の領域においても、土爪根(どかこん)、王爪根(おうかこん)、王爪子(おうかし)といった生薬名を有しています。カラスウリは日本各地の草地や山野において見られますが、北海道は除きます。夏の夕方に開花する花を持ち、糸状に裂けた細長いレース状の花冠を有します。つる性の茎は細長くなっており、自分以外の植物にまとわりついて伸長していきます。烏瓜に含有される成分ではコリンやデンプンといったものがあります。

カラスウリ/薬草で期待される効能・効果

解熱・去淡・通経・美肌効果、止瀉・利尿・鎮咳・催乳・消炎作用など。一般には、ひび割れやしもやけといった肌荒れや、浮腫み、口渇、咳、痰、便秘、生理不順といった症状に対してその改善目的で利用されています。外用では、果肉をそのまま塗布する使い方がされていて、内用では、根を乾燥させ、水を用いて煎じ、それを飲用します。いずれも採取時期は秋から冬にかけてとなります。ただし、妊娠中の女性は、その使用を控えた方が良いとされています。