桑/クワ[くわ]

クワの概要

古くは蚕の餌として利用されていた経緯があり、これは製糸業を営む人が多かったからです。もともと中国において養蚕が盛んであったため、これが日本へ伝わったとされています。別名ではヤマグワと呼ばれることもあり、クワの近縁種ではブラックマルベリーやホワイトマルベリーなどが知られています。いずれも西洋ハーブとなります。クワ科クワ属に分類される桑は、日本各地の畑や山野において見られる植物であり、成長すると凡そ十メートル以上に達する植物で、落葉高木となります。基本的には雌雄異株ですが、雌雄同株のものも存在しています。含有される成分では、ルチン、トリテルペノイド、そしてクワノンA-Hやモルシンといったプレニルフラボン誘導体などがあります。葉には更に、ミネラル類である鉄分をはじめカルシウムや亜鉛といった成分を豊富に含有しています。尚、クワは漢方の領域でも利用されており、桑白皮(そうはくひ)と呼ばれる生薬名を有しています。これは桑の根皮にあたる部分のことを指していて、葉は桑葉(そうよう)と呼ばれます。椹(たん)は果実のことを指しています。

クワ/薬草で期待される効能・効果

消炎・鎮咳・鎮痛・利尿作用などが根部に認められているとされます。一方、葉部は、利尿・解熱・消炎・血圧低下作用、食後の血糖値を押さえる働きなどが知られており、その他、強肝、美白及び美肌といった目的でも使われています。一般に、生活習慣病である高血圧の予防や浮腫みの改善、めまいといった症状に対して、その改善目的で利用されています。