吸葛/スイカズラ[すいかずら]

スイカズラの概要

スイカズラは周りの植物に絡みついてよく伸長しますが、これはつる性の植物であるためです。日向を好む傾向があり、五月を迎える頃に、対になった二つの花が、葉の根元から現れます。最初は、花の色も白色になっていますが、次第に黄色へと変色していきます。金銀花(きんぎんか)とも呼ばれており、これは白色と黄色の対の花を持つことに由来した名称となっています。スイカズラ科スイカズラ属に分類されるスイカズラは漢方の領域においても利用されており、金銀花の名称がそのまま生薬名にもなっています。特有の芳香があり、その香りは非常に甘くなっています。夜間は更に芳香性が高まるとされています。スイカズラの近縁種では、ハニーサックルと呼ばれる植物が存在していますが、こちらは西洋ハーブの一種となります。蔓性植物であり、半落葉となります。楕円形をした葉を有し、葉液には二つの花が見られます。球形の果実は成熟すると黒色に変化します。吸葛に含有される成分では、苦味質、タンニン、サポニン、そしてフラボノイド類であるイソクエルシトリンやクエルシトリン、また精油成分であるリナロール、ジャスモン、デカノイルアセトアルデヒドといったものがあります。

スイカズラ/薬草で期待される効能・効果

消炎・解熱・利尿・抗菌作用など。一般には神経痛やリウマチ、風邪、皮膚疾患、膀胱炎や尿道炎といった症状に対してその改善目的で薬用にされています。葉と茎は、秋と冬の間に採取し、それを天日干しで乾燥させ、水を用いて煎じ、飲用されています。また入浴剤としても利用されています。蕾は、花が咲く四月から五月にかけて採取し、これを乾燥させたものを煎じて飲用されています。