橙/ダイダイ[だいだい]

ダイダイの概要

ダイダイは、縁起を担いで正月の飾りとして用いられています。これは子孫代々永続するようにと願ったもので、ダイダイの名称もこれに由来するものとなっています。ダイダイの原産地は、東南アジアともインドとも言われていますが、日本へは、中国を経由して渡来したと考えられています。また、一番初めに伝わった柑橘類でもあり、他の柑橘類よりも早く渡来したことになります。中国での橙(だいだい)は日本で言う橙とは異なる種類の柑橘類になります。日本で一般に橙と呼ばれているものは、中国において酸橙と書かれます。薬用に用いられるのは、ダイダイの皮部で、これはミカンなどと同様になります。日本薬局方にもダイダイは記載されており、生薬名では橙皮(とうひ)と呼ばれます。漢方において配合され且つ処方されることは、少ないとされていて、中国から伝わった植物の中では珍しく漢方においてあまり利用されません。不思議なことに、漢方の領域では使われないのに、西洋においては薬用として使われています。また、それぞれの国の薬局方に記載されているという不思議な現象が起こっています。夏ミカンは春が訪れる頃に市場へ流通し出しますが、橙の代わりとしてその皮が利用されることもあります。夏皮と称していますが、芳香性では橙の方が優れているとされます。

ダイダイ/薬草で期待される効能・効果

芳香性健胃剤として利用されています。利用する際は、シロップやチンキ剤、或いは苦味チンキといった製剤として使われています。