カキドオシの概要
古くは中国において、尿が出にくくなる腎臓及び膀胱に起因する症状に対してカキドオシの成分が働きかけると考えられていました。近年の研究では、脂肪を溶解させる働きや血糖低下作用が見られたとの報告例があります。カキドオシは、垣根を通すといった意味に由来するもので、別名の連銭草(れんせんそう)は、葉の形状が連なった銭のように見えることに因んでいます。他にも疳取り草(カントリソウ)などとも呼ばれていて、これは疳の虫をとることに由来しています。カキドオシは日本各地の林や道端、草地などに見られ、近縁種では西洋ハーブであるグラウンドアイビーなどがあります。その他、中国や台湾、アムール、シベリア、ウスリー、朝鮮半島などにも分布しています。カキドオシは四角い茎を持ち、円形状の葉は、鋸歯を有していて対生しています。花の時期を過ぎると這いますが、若芽の時期は直立しています。節間から繁茂する蔓(つる)が根を発生させます。花は唇状をしていて斑紋が見られ、その色は薄紫色をしています。カキドオシに含有される成分では、精油としてリモネンやメントン、シネオールといったものがあり、他にはトリテルペノイド、アミノ酸、コリン、タンニン、パルミチン、苦味質などがあります。
カキドオシ/薬草で期待される効能・効果
利尿・消炎・血糖低下・強壮・鎮咳・解毒作用など。主に糖尿病や疳の虫、腎炎、発熱、尿路結石といった症状に対して、その改善目的で利用されています。開花している全草を用いますが、これを四月から六月にかけて採取し、乾燥させたものを煎じて飲用されています。