蓮/ハス[はす]

ハスの概要

古事記などの古書にもハスの記載はされており、平安時代に移行すると仏教じみたものへと変化していったとされます。蓮根は現在、野菜の一つとして食用にされていますが、中国から食用種として日本へ伝わったとされるのは鎌倉時代に入ってからと言われています。野生のハスは日本においても昔からあったとされ、常陸国風土記には、食用にされていた記載が見られます。ただ、野生種であるため、地下茎は今ほど肥大化されたものではなく、細くなっていたと考えられています。現在、調理では、揚げ物やきんぴら、煮物、酢漬けといった多くの料理に利用されています。また、ハスの花が観賞用として利用されだしたのは江戸時代以降のことで、これも中国から伝わったとされます。以後、農業全書の記録によれば、多くのハス栽培が行われるようになったとされています。別名ではスイレンとも呼ばれ、近縁種では、セイクリッドロータス或いはロータス、アメリカンロータスといったものがあります。ハスの根茎は細長くなっており、泥中を這うように存在しています。これが蓮根(れんこん)と言われるものです。長い葉柄を有する葉は凡そ二十五センチ程度で、空中葉と浮葉を有します。空中葉は、水面より突出したもので、浮葉は水面に浮かぶ葉のことを言います。夏が訪れる頃、花柄が水面より伸長し、夜が明けると開花して、日が沈むとしぼみます。蓮に含有される成分では、アルカロイドであるロシジン、リインジニン、ネルンビン、アノナイン、プロヌチフェリン、そしてアミノ酸であるアスパラギンなどがあります。

ハス/薬草で期待される効能・効果

止血・強壮・収斂・鎮静作用など。一般に、切り傷や擦り傷、鼻血、それらに伴う不正出血、疲労、そして早産及び流産の予防といった目的で利用されています。