オナモミの概要
オナモミは雌雄は別々であり、下側に雌性頭花が存在し、壺のような総苞に囲まれています。この総苞には、嘴状(くちばしじょう)の突起が二本見られます。頂生するのは球状の雄性頭花となります。カギ状の棘が総苞表面にみられ、内部には種子が二個存在しています。また、肌に触れると皮膚が損傷を受けます。オナモミの見た目は毛が多くなっていて、卵形の三角形状をした葉には長い柄が見られます。縁には不揃いの刻みが見られ、尖った先端を有します。円錐花序は、夏と秋の間に枝先から発生させ、頭花をつけます。頭花は花の塊となっており、その色は黄緑色になっています。オナモミは原産地をアジア大陸とする一年草で、日本各地に見られる大形の植物となります。採取部分は成熟したオナモミの果実で、これを採って水を用いて洗浄し、天日干しを行った後、乾燥させて用います。尚、キク科に分類されるオナモミは漢方の領域でも使用されており、蒼耳子(そうじし)と呼ばれる生薬名を持っています。これは成熟した果実のことを指しています。
オナモミ/薬草で期待される効能・効果
鎮痛・解熱・発汗作用など。また、風邪に伴う筋肉痛や腰痛、頭痛の改善、そして解熱の目的などで利用されています。利用部位は一般的に果実となりますが、全草も利用されています。いずれも水を用いて煎じ、それを飲用します。ただし、果実も含めて新芽にも若干毒性が認められています。そのため、過剰摂取によって嘔吐や悪心、頭痛や眩暈といった症状を訴えるケースも見られます。