南天/ナンテン[なんてん]

ナンテンの概要

円錐花序は、六月が訪れる頃に茎頂へ現し、沢山の花をつけます。その花の色は白色をしていて、ナンテンの果実は成熟すると赤色或いは白色になります。叢生した幹を有し、大形の複葉が茎の頂部に密生します。また、茎を覆うように膨らんだ葉柄の基部となっています。関節が、小羽軸及び羽軸に見られ、園芸種では色や形に違いが現れ、小葉は全辺に現れます。ナンテンの栽培は、株分け及び挿し木にて行われ、寒冷地を避けます。ナンテンの採取は、実が成熟する十一月から十二月が適しているとされ、この時期に果穂をとって、天日干しにて乾燥させます。ナンテンは暖地の山地渓谷間などに見られ、常緑低木となります。尚、メギ科に分類されるナンテンは漢方の領域でも利用されており、南天実(なんてんじつ)と呼ばれる生薬名を有します。これは南天の果実部に該当します。また、白実は希少価値があるとされていますが、赤実でも白実でもその作用に大差はないと言われています。

ナンテン/薬草で期待される効能・効果

鎮咳作用があるとされているため、痙攣性の咳や百日咳などに用いられています。また、運動神経や知覚神経の麻痺作用もあるとされています。利用する際は、南天の実を水を使って煎じ、これを一日三回に分けて飲用します。尚、かつては葉を噛むことによって船酔いに用いられていた経緯があるため、現在でも二日酔いなどに用いられています。