カワラヨモギの概要
ヨモギ自体は広く世に知られていますが、同じ仲間となるヨモギでは、イヌヨモギ及びヤマヨモギといったものが複数確認されています。カワラヨモギも普通に知られる蓬(よもぎ)の仲間であり、海岸や川辺の砂地において広く見受けられます。日本では本州にカワラヨモギが多くみられ、他にも中国や東南アジア、朝鮮半島といった地域において分布しています。カワラヨモギそのものから特有の芳香が放たれており、小頭花は、夏と秋の間において沢山発生させます。開花時期に見られる花穂が薬用として使われており、カワラヨモギは漢方の領域においてもインチンコウと呼ばれる生薬名を持っています。漢字では、茵陳蒿(いんちんこう)と書かれますが、これは、古くなった根元より、茎が新しく伸長して蒿(よもぎ)が発生するところに由来していると言われています。漢方における生薬名であるため、インチンコウは中国での呼び名となります。一般に水を用いて煎じたものが利用されており、対象となる症状は、肝炎や黄疸(おうだん)となっています。また、水虫といった症状に対しても外用で煎じた液が塗布されています。綿茵陳と言われるものは、綿のごとく柔軟性があり白っぽい毛に包まれたカワラヨモギの芽立ちのことを指しています。日本では、茵陳蒿の使用がほとんどで、綿茵陳はあまり利用されておりません。
カワラヨモギ/薬草で期待される効能・効果
黄疸や肝炎、水虫などといった症状に対して、その改善目的で利用されています。