鎧草/ヨロイグサ[よろいぐさ]

ヨロイグサの概要

一般に、セリ科に分類される植物には、似たような特性があるとされています。花は、唐傘を広げたような感じになっており、その芳香も独特のものとなっています。ヨロイグサもセリ科に分類されているため、このような特性を持った植物になります。広く知られている名称ではありませんが、大形の多年草となります。花は、七月から八月にかけて開花させます。名称は、葉に見られる刻みとその重なり具合が鎧(よろい)のように見えるところに由来していると言われています。薬草として利用されるのは、このヨロイグサの根の部分となります。採取は、十一月頃で、ちょうど地上部が枯れ始める時期が適していると言われています。セリ科に分類されているヨロイグサは漢方の領域で使われており、ビシャクと呼ばれる生薬名を持っています。日本薬局方などにもヨロイグサの記載はなされています。かつては、頭痛持ちなどに使われていたとされますが、現在、ヨロイグサを単体で利用されることはありません。多くは、漢方の領域で配合され、且つ処方されています。

ヨロイグサ/薬草で期待される効能・効果

漢方の領域では、中耳炎や蓄膿症、吹き出物やニキビ、慢性化した頭痛、夏ばてや夏風邪といった症状に対してその改善目的で利用されています。ただし、いずれも漢方において他の薬草と共に配合され、処方されたものであることから、鎧草単体の作用ではありません。