槐/エンジュ[えんじゅ]

エンジュの概要

街路樹などで見かける植物の一つですが、開花する八月から九月にかけては、黄白色をした花が周囲に敷き詰めたような感じで散らばっています。原産地を中国としていて、日本へはかなり昔に伝わったとされています。マメ科に分類されるエンジュは落葉高木ですが、ハリエンジュと呼ばれる植物も存在しています。こちらは、歌の中でもニセアカシアの名称で出てきますが、正確にはハリエンジュになります。ところが、このハリエンジュは、アカシアにもエンジュにも属さない植物となります。街路樹でも見かける植物ですが、槐とは異なる植物になります。正規の槐で利用される部位は、蕾(つぼみ)になります。漢方の領域では、槐花(かいか)と呼ばれる生薬名になっています。含有される成分では、ルチンと呼ばれるフラボノイド化合物があり、ルチンを作る際の原料として用いられていました。この成分は、ソバなどにも含有される成分で、主に、習慣生活病である動脈硬化や高血圧などの予防に対して利用されています。これは、ルチンに毛細血管を増強する働きがあると考えられているためです。また、同類のフラボノイド化合物であるクェルセチンといった成分も槐には含有されており、こちらは、染料のうち黄色の原料として使われています。

エンジュ/薬草で期待される効能・効果

動脈硬化や高血圧症状といった生活習慣の予防目的で利用されています。尚、漢方の領域では、痔疾及び潰瘍性大腸炎に伴う出血などにも利用されます。