木天蓼/マタタビ[またたび]

マタタビの概要

マタタビミタマバエ及びマタタビアブラムシが産卵期においてマタタビの子房に卵を産み付けると、虫瘤(むしこぶ)といったものが発生します。形状はでこぼこしていて、これは子房が異常発育したためです。薬用とされるのは、この虫瘤であり、採取時期は十月頃となります。採取した虫瘤は、殺虫するために熱湯をかけます。その後、乾燥させます。別名では、ナツウメやワタタビなどとも呼ばれていて、近縁種ではシルバーバインといったものがあります。マタタビは日本各地の山地に見られ、つる性落葉木本となります。花の時期が訪れると、葉の全部あるいは上側の半分のみが白っぽく変色します。花は、六月から七月にかけて葉腋に数個咲き、また五弁花が一つ、雄株に咲きます。色は白色をしていて、特有の芳香を出します。成熟した果実は弾丸形をしていて、その色は黄色くなっています。含有される成分では、ポリガモールやアクチニジン、そしてマタタビラクトンであるイソイリドミルメシン、イソジヒドロネぺタラクトン、イリドミルメシン、イソジヒドロネぺタラクトンといったものがあります。

マタタビ/薬草で期待される効能・効果

鎮痛・利尿・血行促進・強壮・消炎・健胃作用など。一般に、腰痛や神経痛、リウマチ、浮腫み、冷え性、不眠症といった症状に対して、その改善目的で利用されています。正常な実に薬効は認められず、利用されるのは木天蓼アブラムシが寄生した実の虫瘤になります。これを七月から八月かけて採取し、殺虫のため熱湯或いは煮て、その後、乾燥させたものが服用されます。