鹿子草/カノコソウ[かのこそう]

カノコソウの概要

カノコソウの太い根茎は短くなっており、成長すると凡そ70センチ程度になります。オミナエシ科に分類されるカノコソウは、多年草で、湿った草地など、林や山野において見られる植物となっています。小花を五月から七月にかけて開花させ、その色は淡紅色になっています。根茎及び根部が薬用に利用されていて、これらを採取した後、日干しにして乾燥させて使われています。特有の芳香を持つ精油が根部に含有されており、古くから鎮静作用があるとされてきました。現在、市場へ出回っているのはカノコソウの栽培種となりますが、野生種のものは減少しているとされながらも、山野などにおいて見られます。日本では北海道から九州の各地において見られ、また台湾やサハリン、北朝鮮などにも分布しています。薬用として利用され出したのは明治以降と言われていて、別名ではハルオミナエシとも呼ばれています。夏を迎える頃に茎頂へ小花を密に開花させますが、漢方の領域でもかつては、吉草根と言われる生薬名を有していました。ただし、現在はカノコソウと改名されています。含有される成分では、アルカロイド類であるワレリアニン、そしてテルペン類であるシネオール、ピネン、ワレラノン、カンフェン、ケッシルアルコールといったものがあります。尚、西洋カノコソウは、西洋のワレリアナのことを指していて、日本の市場で出回っている品種はエゾ鹿子草と呼ばれる栽培種となります。野生種のものは市場において存在していないとさえ言われています。

カノコソウ/薬草で期待される効能・効果

鎮静作用など。主に神経過敏症やヒステリーといった症状に対してその改善目的で利用されています。