杏子/アンズ[あんず]

アンズの概要

日本の長野県などが杏子(アンズ)の産地で知られていますが、その栽培は寒冷地が適していると言われています。ウメが開花されると次に訪れるのがサクラの花ですが、アンズは、この中間に位置して開花します。種類としては、ウメの近縁と言われていて、原産地を中国としています。成熟したアンズの果実は、乾果として利用される他、生食、或いはシロップ漬けやジャムなどに使われています。バラ科に分類される杏は、アプリコットと英語で呼ばれる小高木になります。アンズの利用部位は仁で、殻の中に存在する種子を薬用にしています。現在その多くが漢方において利用されており、杏仁(きょうにん)と呼ばれる生薬名で日本薬局方に記載されています。民間療法の領域では、アンズの種を咳止めなどに用いられるケースも見られますが、その多くはやはり漢方の領域で利用されています。キョウニン水と呼ばれるものは、西洋医学で去痰作用或いは鎮咳作用があるとされているものです。これは、キョウニンから脂肪油を除去し、水蒸気蒸留を行った後、水分とアルコールを混ぜ合わせたものとなります。尚、ミョウバン及び果肉を併用して煎じたものを利用すると、腋臭の改善が見られるとも言われています。

アンズ/薬草で期待される効能・効果

漢方の領域では、インフルエンザや風邪、気管支拡張症及び喘息といった症状の改善目的で利用されています。含有される成分では脂肪油のほか、アミグダリンと呼ばれる青酸配糖体といったものがあります。尚、現在、ヘアクリームやコールドクリーム、或いは軟膏などにも配合されています。