河碧/川緑/カワミドリ[かわみどり]

カワミドリの概要

シソ科に分類される植物は、芳香を放ち、茎は四角く、花は唇状になったものが多いと言われています。カワミドリもシソ科に属する植物であることから、こういった傾向を持つ植物となります。カワミドリは北海道から九州にかけて日本各地に見られますが、台湾や朝鮮半島などにも分布しています。カワミドリの花は紫色で、秋を迎える頃に開花させます。日差しのよくあたる場所を好み、特有の芳香を放ちます。この匂い成分は、アニスアルデヒド、リモネン、メルカビコール、アネトールと呼ばれる精油成分から構成されています。漢方の領域でも利用されており、カッコウと呼ばれる生薬名を有します。現在、市場へ流通しているカッコウは、中国から輸入されているパチヨリと言われる品種であり、本種のカッコウとは異なります。カワミドリの花は、穂状に茎頂において密に沢山咲かせます。雄しべは長くなっており、際立ったものとなっています。この綺麗な花は観賞用にも利用されています。カワミドリの四角い茎は直立し、上の方で分岐しています。対生の葉の縁には鋸歯が見られ、その形状は心臓形をしています。柄は凡そ三センチ程度の長さとなっています。河碧の採取は、六月から七月にかけて行われ、その際、茎の上部だけをとって水を用いて洗浄後、陰干しによって乾燥させたものが利用されています。

カワミドリ/薬草で期待される効能・効果

感冒による下痢や消化不良、そして風邪や頭痛といった症状に対してその改善目的で利用されています。利用する際は、水を用いて洗浄し、それを一日三回に分けて飲用されています。