ヤマノイモの概要
雌株と雄株の別があり、垂れて小さな花をつけるのがヤマノイモの雌株となります。一方、直立したものは雄株となります。三翼に分かれた扁平なヤマノイモの果実は、横幅より縦の長さの方が狭くなっています。果実の壁は、成熟に伴って剥がれ、内部からは種子が扁平状になって現れます。この種子の周囲には、翼が薄くなって見られます。地下に担根体(たんこんたい)があり、多肉質になっています。その形状は円柱形をしていて、淡緑色をした茎を有します。この茎は、他の植物などに絡みつきながら伸長していきます。対生の葉を持ちますが、中には互生の葉を持つものもあります。ヤマノイモは心形状にへこんだ基部を有し、茎に長柄でつきます。また、球芽(むかご)を葉腋に生じさせます。ヤマノイモは本州から九州、そして四国など日本各地の野山に見られる多年生つる草で、いわゆる自然薯(じねんじょ)と呼ばれるものを指しています。ヤマノイモの採取は、秋が訪れる頃に葉が黄色く変色し、その後の冬が適しているとされています。この時期に根部を掘り起こし、水を用いて洗浄後、天日干しにて乾燥させたものが薬草として利用されます。尚、生イモの保存は、凍らない程度の温度が薦められています。
ヤマノイモ/薬草で期待される効能・効果
滋養強壮、及び止渇といった目的で利用されています。また寝汗や夜尿症といった症状に対しても、その改善目的で利用されています。利用する際は、水を用いて煎じ、これを一日三回に分けて飲用されます。尚、生根をすりおろしたものは、咳などの症状に対して使われています。