金瘡小草/キランソウ[きらんそう]

キランソウの概要

キランソウは春を迎える頃、濃紫色をした小さい花を葉の付け根部分に複数つけます。直立しない茎は、周囲に枝分かれし、這って地面を伸長しながら広がっていきます。キランソウは対生の葉を持ち、その形状は、倒披針形をしています。見た目には毛が全体に見られ、キランソウは本州や九州、そして四国など日本各地の土手や道端で見られる多年生草本となります。種を播くと四つの種子が一つの花に発生しますが、脱落しやすい傾向にあるため、通常自然繁殖させます。キランソウを株分けして繁殖させる場合は、水はけのよい土壌を選択して、そこに植えられます。生を用いるケースでは適宜採取されますが、通常、全草を花期において採取し、その際水を用いて洗浄後、天日干しで乾燥させたものが利用されています。尚、シソ科に分類されるキランソウは、漢方の領域で利用されていないため、生薬名は存在していません。利用部位は全草となっており、地域によってはイシャイラズと呼ばれているそうです。

キランソウ/薬草で期待される効能・効果

収斂作用など。一般には、高血圧症状や下痢止めといった目的で利用されていますが、解熱作用も持っているとされています。利用する際は乾燥させたものを水で煎じて一日三回に分けて飲用されています。また、生葉汁を切り傷や火傷、あせも、虫刺され、鼻血といった症状の患部に塗布されています。