梔子/クチナシ[くちなし]

クチナシの概要

クチナシのジャスミンを彷彿させる芳香は、特有の甘味を強く放ち、古くから香水に用いられていたとされています。また、三杯酢でクチナシの花部が食用にされたり、乾燥させたものが茶剤として利用されたりもしています。クチナシは甘い香りを強く持っているため、香り付けには最適とされています。他にも、将棋の駒といったものに使われているため、広く知られています。また、染料としての歴史も古く、その始まりは飛鳥時代と言われています。更に天然着色料としても使われていた経緯が有り、たくあんや栗きんとんなどに混入されていたとされます。クチナシの別名では「シャムツゲ」とも呼ばれていますが、これはツゲ科に分類されるツゲに、木の材質が似ている事に由来しています。日本では関東より西側の山野や公園などに見られる植物で、クチナシの近縁種ではガーデニアといった植物が存在しています。こちらは、西洋のハーブとなります。夏が訪れる頃に花を開花させ、その色は白色になっています。秋を迎える頃に実を実らせ、その直径は凡そ一センチ程度で、卵型をしています。色は橙黄色となります。梔子に含有される成分では、クロシンと呼ばれるカロテノイド色素、ゲニピンおよびゲニポシドと呼ばれるイリドイド配糖体、そして精油成分である酢酸リナリル及びリナロールなどがあります。

クチナシ/薬草で期待される効能・効果

止血・鎮静・胆汁分泌促進・緩下・消炎・解熱・健胃・整腸作用など。一般には、擦り傷や切り傷、打撲、腰痛、肝臓障害といった症状、そして膀胱炎や尿道炎といった症状に対してその改善目的で利用されています。パウダー状にしたものは外用として患部に塗布され、果実は秋に採取されます。また、乾燥させた果実を、水を用いて煎じ、それが飲用されています。