枳殻/カラタチ[からたち]

カラタチの概要

カラタチの花は、五つの弁を有し、白色となっています。カラタチの開花は春を迎えるころで、非常に良い香りがします。球形をした果実には軟毛が見られ、成熟すると黄色に変色して行きます。沢山の種子があり、食味は苦味及び酸味が感じられます。緑色をした枝には稜角が見られ、棘(とげ)が鋭くなって突出しています。カラタチの原産地は中国とされていて、日本へはかなり古い時代に伝わったものと推測されています。ミカン科に分類されるカラタチは落葉低木で、生垣などにも利用されています。カラタチの栽培は、種子をとってそれをまきますが、寒さに非常に強くなっており、痩せた土地においても繁殖します。また、同じ柑橘類の仲間の中では、一番寒さに強いと言われています。枳殻を採取する際は、未熟な果実を選びますが、ちょうど秋頃の収穫が程よく未熟で適していると言われています。これを輪切りにして天日干しを行い、更に乾燥させたものが利用されています。ただ、乾燥させると水分を吸収しやすい傾向を発生させてしまうため、保存の際には注意が必要とされています。

カラタチ/薬草で期待される効能・効果

利尿・健胃・去痰・発汗作用など。一般には便秘や腹部膨満感、食べ過ぎによる腹痛といった症状に対して、その改善目的で利用されています。また、美肌に対しても使われています。利用する際は、生葉となりますが、これに水を用いて煎じ、飲用されています。また、入浴剤として枝葉や果実部が利用されることもあり、皮膚を綺麗にするだけでなく、体を温めて発汗を促し、更に去痰にも作用すると言われています。