繁縷/蘩蔞/ハコベ[はこべ]

ハコベの概要

早春に、まだ緑のあまりない時期に若い芽を出す草のうち、七種類を選んで正月の七日に食する慣習が日本にあります。これらの草は、春の七草で広くしられているもので、日本では800年以降にこの慣習が中国から渡来したと言われています。その中国では四世紀頃から始まった慣習と考えられています。もともと日本の在来種であるミドリハコベのことをハコベと言っていましたが、現在、日本への帰化植物としてコハコベが認められていることから、これらをまとめてハコベと総称しているとされます。別名では、ヒヨコグサとも呼ばれおり、西欧ハーブではチックウィードと言われるものが近縁種とされています。ハコベは日本各地の日差しの当たる道端や草地などに見られる植物で、成長すると高さは凡そ十五センチ以上になる二年草です。柄を有しない葉は対生しており、その形状は卵円形で先端部は尖っています。二センチ程度となる葉は柔軟性を帯びていて柔らかくなっています。集散花序を枝の先っぽにつけ、白色をした花となっています。繁縷に含有される成分では、ビタミン類であるビタミンB群、ビタミンC、ミネラル類であるカルシウムやカリウム、そしてカロテノイドやフラボノイド、サポニンといったものがあります。

ハコベ/薬草で期待される効能・効果

止血・抗菌・美肌効果、収斂・鎮痛・解毒作用など。一般に、神経痛や腰痛、腹痛、湿疹、肌荒れ、切り傷、腫れ物、打ち身、痔、鼻血、そして産前産後や月経過多、また、歯痛や歯槽膿漏の予防、歯茎からの出血といった症状に対して、その改善目的で利用されます。利用する際は、乾燥させた全草を煎じたものが服用されます。外用では、この煎汁が塗布され、また熱湯で浸出させた生葉のエキスは飲用されます。