クロモジの概要
クロモジは枝や葉、そして樹皮に特有の強い芳香を持っており、これが石鹸をはじめ、香水やローションなどに使用されていた時期があったとされています。同種のものでは、五つに区分けされていますが、一般にはこれらを総称してクロモジと呼んでいます。昔から止血や脚気などに使われてきた経緯があり、現在でも爪楊枝や茶菓子などで用いられています。クロモジは日本各地の山野に見られる植物で、近縁種ではシナモンと呼ばれる植物が存在しています。こちらは西洋ハーブの一つとなります。クロモジは成長すると凡そ三メートル程度に達する高さになり、直立した幹は、幾つか枝分かれをしています。狭長楕円形をした葉の長さは凡そ十センチ前後で、葉柄は互生しています。その色は、深緑色をしていて光沢があります。また、白っぽい裏側になっています。クロモジの開花は三月から四月にかけてで、その際、新葉も生えます。色は黄色となっています。秋が訪れる頃に黒色に成熟する果実の直径は凡そ四ミリ程度となっています。名称は、黒色斑点が暗緑色の地に見られる樹皮を有するところに由来しています。黒文字に含有される成分では、カンフェン、リナロール、α-ピネン、シネオール、リモネンといったものがあります。
クロモジ/薬草で期待される効能・効果
去淡・消炎・抗菌作用など。また、芳香性健胃としても利用されます。一般には咳や痰の改善、胃腸障害、脚気、そして皮膚疾患である湿疹や水虫などといったものに対してその改善目的で利用されています。尚、乾燥させた根皮を煎じたものが皮膚疾患などの外用に使われており、他にも入浴剤として利用されています。