ジャノヒゲの概要
夏が訪れる頃に、花茎を葉の隙間から数センチ程度現し、その後、花を幾つかつけます。その色は淡紫色をしていて、下向きに咲き、種子へと変わります。ジャノヒゲでは大株となるものも見られ、葉を沢山叢生(そうせい)します。その葉は凡そ二十センチ程度に育ち、細長くなっています。北海道から九州に至る日本各地の樹林下に見られる常緑多年生草本となります。栽培は株分けによって行われ、五月の終わり頃が適しているとされています。採取は、五月の終わり頃から六月にかけて行い、塊根部をとり、水で洗浄した後、天日干しで乾燥させたものが利用されています。特に塊根の真ん中部分は質が良いとされており、乾燥を促すため、湯通しも行われます。別名では龍の髭(りゅうのひげ)とも呼ばれていて、同じ仲間ではナガバジャノヒゲと呼ばれるものも存在しています。また、やや大形のヤブランもありますが、これらはいずれもジャノヒゲと同じように利用されます。尚、ユリ科に分類されるジャノヒゲは、漢方の領域でも使われており、麦門冬(ばくもんとう)と呼ばれる生薬名を有しています。これはジャノヒゲの根部を乾燥させたものとなります。また、小葉麦門冬(しょうようばくもんとう)は、蛇の髭の塊根部となります。
ジャノヒゲ/薬草で期待される効能・効果
鎮咳・去淡・止瀉・利尿作用など。また滋養強壮に対しても利用されています。一般に水を用いて煎じ、それが飲用されています。