薔薇/バラ[ばら]

バラの概要

園芸種とされるものは、一般には実をつけません。これは品種改良が行われ、雄しべを花弁に変えてしまったためで、繁殖しない植物となっています。原種は、五枚の花弁を持っていて、日本に自生するノイバラも同様に五枚の花弁を有します。バラ科に分類される植物では、桃、杏(あんず)、梨(なし)、桜、梅、林檎(りんご)といったものがあり、これらは何れも食用或いは薬用に多く利用されるものとなります。日本において見られるバラでは、ノイバラをはじめ、ハマナシ、ヤマイバラといったものがあります。また、西洋ハーブの近縁種などでは、ダマスクローズ、ドッグローズ、アポセカリーローズといったものがあります。自生する薔薇は日本各地において、日差しのよくあたる山野などに見られます。ノイ薔薇はなどは、比較的多く見られる薔薇の一つで、棘(とげ)が葉柄及び枝などに見られます。花は直径三センチ程度で、五月から七月にかけて咲きます。その色は白色になっており、実は赤く、夏が終わる頃につけます。含有される成分では、マルチノシド、マルチフロリンといったフラボノイド類、精油成分であるネロール、ゲラニオール、オイゲノール、そしてタンニン類やシアニン、ビタミンCなどがあります。

バラ/薬草で期待される効能・効果

止血・利尿・収斂・止瀉作用など。一般に、止血や浮腫み、生理不順、そして下痢などの症状に対して、その改善目的で利用されています。利用する際、実は乾燥させたものを茶剤として飲用する他、生食もされます。また、蕾は五月から七月にかけて花の咲く時期に採取し、これを茶剤として飲用されます。