月桃/ゲットウ[げっとう]

ゲットウの概要

ゲットウは日本で沖縄をはじめ、九州の南側や小笠原といった地域の畑などに見られる植物で、特に沖縄では季節行事に古くから用いられてきた植物の一つになっています。カーサームーチと呼ばれるものは、特有の芳香を持ち、餅をゲットウの葉を用いてくるんだもので、神仏への供え物として使われています。日本だけでなく、マレーシアや台湾などにおいても見られるゲットウは、それぞれの国でも食材を覆う材料として葉部が使われているそうです。英名では、シェルジンジャーと言われますが、その作用はジンジャーとよく似たものになっています。種子は香辛料として、或いは生薬として一般に利用されており、ジンジャーと同じく健胃の働きがあるとされています。別名では、「サニン」、「サンニン」とも呼ばれているゲットウの近縁種では、ジンジャーの他、ターメリックと呼ばれる植物が存在しています。いずれも西洋ハーブとなります。成長すると凡そ三メートル近くに達し、開花時期は五月から七月にかけてで、この時期、穂状に茎頂部から下を向いた花が見られるようになります。月桃(げっとう)は、台湾において呼ばれる名称ですが、日本でもこの呼び方を直接使っています。サニンやサンニンと呼ばれるゲットウの別名は沖縄において呼ばれる地方名であり、これは砂仁(しゃじん)と呼ばれる生薬名に因んでいるとされます。含有される成分では、ゲラニオール、シネオール、リナロール、ピネン、カンファーといった精油成分などがあります。

ゲットウ/薬草で期待される効能・効果

抗菌・防虫・去痰・消臭・健胃作用など。主に気管支炎や鼻炎、痰、消化不良、虫刺されといった症状に対してその改善目的で使われています。内用では、種子を乾燥させたものを煎じて飲用され、外用では、月桃を切った際に出てくる液汁を患部に直接塗布されます。