栗/クリ[くり]

クリの概要

クリは秋の味覚の一つとして、焼き栗やクリ飯、マロングラッセ、きんとんなどに多く利用されています。イネ科の稲が日本へ伝わったとされているのは、縄文時代以降の話で、それより以前の時代では、日本人にとって主要な食料になっていたとされています。冬が訪れる前に、クリを採取しては蓄えていたと考えられています。また、遺跡からもクリの花粉が出土されており、その量もかなり多いと言われています。現在、日本人の主食は米へと移っていますが、第二次世界大戦が終わる頃までは、救荒食物として長い間重宝されていました。食用や薬用以外では、なめし皮や染料といったものに樹皮が利用されたり、橋や船材、建築、枕木、門松といったものにも使われています。これは、クリの木を使った木材は湿気に耐性が有り、そのため腐食しにくくなっていることが理由としてあげられます。別名では、シバグリとも呼ばれていて、日本各地の山野や公園などに多く見られる落葉高木となります。栗に含有される成分では、エチルアセテート、フェニルエチルアルコール、タンニンといったものがあります。

クリ/薬草で期待される効能・効果

消炎・整腸・収斂・血行促進作用など。一般に、胃腸障害やそれに伴う下痢、喉の炎症、口内炎、血行異常、耳鳴り、口内炎、脱毛症といった症状に対してその改善目的で利用されています。葉は八月から九月にかけて採取され、これを刻んだものを煎じて飲用されます。また秋に収穫された実も刻んで乾燥させた後、水を用いて煎じ、飲用されます。冷湿布や煎じた液汁は、湿疹などの患部にあてられています。尚、葉部は湿疹やかぶれなどにも利用され、種仁(しゅじん)は、下痢や食欲不振といった症状に使われています。