河骨/コウホネ[こうほね]

コウホネの概要

コウホネの花柄は夏が訪れる頃に水上へ現れ、最初に黄色い五弁花が一つ開花します。花柄は、花の時期が終了する頃に倒れ、水中では果実が完熟し、これが崩壊して沢山の種子を撒き散らします。水底の泥中を太い根茎は横に這って伸長していきます。葉の跡がまばらに見られます。葉柄は長くなって水上に現れ、ツヤがあって厚さのある長卵形をした葉身をつけます。コウホネの栽培は、白色部の根を損傷しないように池の泥中に入れられています。肥大化したコウホネの根茎は、新鮮だと白色になっています。一方、古くなったそれは黒褐色になっています。採取する場合は、これを掘り出し、その際、細根を除去し、縦割りにしたものを天日干し或いは火を用いて乾燥させます。コウホネは、北海道から九州に至る日本各地の池沼において見られ、スイレン科に分類される多年生水草となります。また、漢方の領域でもコウホネは利用されており、川骨(せんこつ)と呼ばれる生薬名を持っています。これは、縦割りにした根茎を天日干しで乾燥させたものとなります。乳腺炎などには小麦粉と併用して、根茎が生で用いられています。その際、根茎はすり潰され、患部に塗布されます。

コウホネ/薬草で期待される効能・効果

婦人病に関わる浄血作用、産前産後における諸症状の改善など。月経不順などに対しては、乾燥させたものが煎じて飲用されていて、その際一日三回に分けられています。