桔梗/キキョウ[ききょう]

キキョウの概要

キキョウは風船のように蕾(つぼみ)が膨らみ、英名では「バルーンフラワー」と呼ばれています。日本の文献で一番初めにキキョウのことが記載されている古書は「出雲国風土記」とされています。また秋の七草の一つとして万葉集において朝貎(あさがお)と詠まれていたものは桔梗(ききょう)と考えられています。今日では、あまり自生しているものは見られませんが、かつてはどこにでも沢山生息していたものと言われています。食用としては、お浸し、煮物、炒め物、漬物、揚げ物、和え物といった様々な形で利用されており、古くは救荒植物とされていました。キキョウを調理する際は、含有されるサポニンを除去するため、十分に、若葉、根、若芽を加熱して茹で、その後適当に水へ晒します。キキョウは日本各地の草地や山野に見られる植物で、成長すると凡そ90センチ程度の高さにまで育ちます。乳液状の成分が葉及び茎に含有されており、花は鐘形のものを青紫色に咲かせます。含有される成分では、プラチコジンと呼ばれるキキョウサポニンをはじめ、フィトステロール、トリテルペノイド、イヌリンといったものがあります。尚、桔梗は漢方の領域でも使われており、桔梗根(ききょうこん)と呼ばれる生薬名を有します。

キキョウ/薬草で期待される効能・効果

解熱・鎮痛・鎮静・抗アレルギー・鎮咳・消炎・去痰・排膿作用など。通常、腫れ物をはじめ、痰や咳、呼吸器系の炎症である肺炎や気管支炎などに対してその改善目的で利用されています。利用する際は、乾燥させた根を煎じて飲用されたり、またうがいなどに利用されています。