朴の木/ホオノキ[ほおのき]

ホオノキの概要

ホオノキは山道などを歩行している際に、よく見かける植物で、特有の芳香を放っています。ホオノキは白色の花をつけます。日本特産であるホオノキは、モクレン科に分類されていて、落葉高木となります。多くのモクレン科に属する植物は、芳香性があり、花も綺麗なものが豊富と言われています。鉛筆の材料や家具、下駄などに使われているものの一つがホオノキになります。郷土料理では、岐阜県の朴葉味噌(ほおばみそ)などがあり、これは珍味とされているもので、葉を使い、これに包んだものを焼いて食されるものとなります。薬草として利用されるのは、幹の樹皮部分で、単体で使われることは少ないとされています。多くは、漢方の処方に用いられています。厚朴(こうぼく)は、ホオノキの樹皮の生薬名であり、日本薬局方にもその記載がなされています。もともと、厚朴は中国からきたものであり、現地使われているものと、日本で使われているものは、その種類を別にしています。日本では、含有される成分に大差ないことから、国内の朴の木が変わりに使われています。動物実験の領域では、腸管内における運動を抑える働き、白血球を増やす作用、胃の運動を促す働き、そして抗痙攣作用や筋弛緩・鎮静・中枢神経抑制作用などが示されています。

ホオノキ/薬草で期待される効能・効果

九味檳榔湯(くみびんろうとう)は腫れ物及び脚気などに使われており、五積散はリウマチに適用され、大承気湯及び小承気湯は便秘などに利用されます。蘇子降気湯(そしこうきとう)は喘息に使われており、平胃散は胃のつかえに利用されます。いずれも漢方の領域において配合され、かつ処方されるもので、単体の作用ではありません。