野竹/ノダケ[のだけ]

ノダケの概要

ノダケと言えば、野原に関係のある竹類ではないかと想像される方もおられることと思いますが、実際は竹とは何の関係もない、見た目も異なる種類となります。植物名にはこうした紛らわしい名称が非常に多いとされます。何の関係も無いのに、関与してそうな名称が入れられているケースが多々見られるので誤解することも多いようです。セリ科に分類されるノダケは、多年草となります。傘形をした花を秋が訪れる頃に開花させ、その色は黄色をしています。本州より南側において日本各地の山野などに多く見られます。また住処としているのは、樹木の下部となります。中にはシロバナダケと呼ばれる品種も存在していて、これは白色の花を開花させます。利用される部位は、根部分で、採取時期は十一月頃が適しているとされています。掘り出したノダケは乾燥させ、その後、利用されるに至ります。また、ノダケは漢方の領域においても利用されており、前胡(ぜんこ)と呼ばれる生薬名を有しています。民間薬の領域では風邪薬として利用されることもあります。現在、中国からの輸入物が市場において流通しており、正しくはノダケに該当しません。野竹と同じ仲間であるセリ科に分類されていても、異なる種類の植物となります。中国では、野竹を土当帰(どとうき)と呼んでいます。

ノダケ/薬草で期待される効能・効果

風邪薬など。また、漢方の領域では様々のものに配合されていて、蘇子降気湯(そしこうきとう)は喘息などに使われており、参蘇飲(じんそいん)は咳を伴う風邪などに利用されます。