肉桂/ニッケイ[にっけい]

ニッケイの概要

かつては駄菓子屋などで見られたとされるニッキ水は現在その多くが姿を消していきました。液は、緑色や赤色に着色されており、食味は甘味と辛味が混在するものとなっています。また、独特の香りも有します。このニッキは、ニッケイから抽出されたもので、かつては広く用いられていました。クスノキ科に分類されるニッケイは常緑樹となります。古くは中国から伝播したと考えられており、現在、暖地において生産が行われています。皮及び根部は、お菓子などに使われる他、香辛料や紅茶、コーヒーなどにも用いられています。またニッケイは漢方の領域でも利用されており、桂枝(けいし)、及び桂皮(けいひ)と呼ばれる生薬名を有しています。桂枝はニッケイの枝部のことを指していて、桂皮は樹皮の部分を意味しています。何れも漢方において配合され、且つ処方されています。また、日本薬局方にも桂皮の名称が記載されています。これは、日本において慣習的に利用されていたためです。尚、ニッケイの独特の匂いと辛味成分は、肉桂に含有されるシンナムアルデハイドと呼ばれる物質によるものです。

ニッケイ/薬草で期待される効能・効果

桂枝加芍薬湯、安中散といった胃腸を強くするためのものや、十全大補油、小建中湯といった虚弱体質用のもの、折衝飲といった婦人病に用いられるものがあり、いずれも桂枝が配合された漢方の処方となります。