山査子/サンザシ[さんざし]

サンザシの概要

サンザシは春を迎える頃、五弁の花を枝先に現します。その色は白色をしています。球形をした果実を成熟させ、その色は黄色から赤色に変色していきます。酸味を有し、特有の匂いを放ちます。また、倒卵形をした葉部は、その縁に鋸歯が鋭く出ており、楔形の基部を有します。小枝には、棘(とげ)が見られ、これは短い枝が変形したものとされています。サンザシは原産地を中国としていますが、日本でも栽培化されている落葉低木となります。寒さに耐性が有り、サンザシの栽培は、挿し木、実生、そして取り木といった方法で行われています。サンザシの採取は八月の終わり頃からから九月の中頃にかけて行われ、その際熟したものを選択し、天日干しで乾燥させてから薬用として使われています。尚、バラ科に分類されるサンザシは漢方の領域でも利用されており、山査子(さんざし)がそのまま生薬名となっています。これは山査子の果実部のことを指しています。

サンザシ/薬草で期待される効能・効果

整腸・消化促進・健胃作用など。中でも生果の消化作用は強いとされています。一般に一日三回に分けて、水で煎じたものが、整腸や健胃の目的で使われており、他にも果実酒として利用されています。尚、果実酒は、果実から種子を除去した後、残った果肉と共に、その数倍のホワイトリカーを容器に入れ、冷暗所に数十日保存します。