葛/クズ[くず]

クズの概要

クズは秋の七草の一つで、古くは多くの歌に詠まれていたとされています。クズの根部には質の良いデンプンが含まれており、昔から穀物として取り扱われていました。今日では、天ぷらやジャムなどにも利用されており、それぞれ葛の若芽や花などが用いられています。また、菓子類では、葛饅頭及び葛切といったものに使われており、広く認識されています。食用としても薬用としても有用な植物ですが、かつては、高速道路における騒音を防ぐためにも使われていたそうです。更に、砂漠に緑と潤いを与え、鉱山の土留めとしての役割も持っています。非常に強い繁殖力を持っており、家畜の餌としても重宝されています。日本各地に日差しの当たる川原や林などに見られる植物で、別名では、「クゾ」、「クズフジ」、「マクズ」、「カイバカズラ」などとも呼ばれています。クズは数センチ程度の蝶形をした花を七月から九にかけて咲かせ、これを十センチ程度の花穂につけます。花の色は赤紫色をしていて、その花は下の方から上の方へと順番に開花していきます。子葉を三つ有し、互生した葉を持っています。葛に含有される成分ではデンプンをはじめ、ダイゼイン、プエラリンキシロサイド、ダイジン、プエラリンといったイソフラボン誘導体などがあります。

クズ/薬草で期待される効能・効果

発汗・鎮痙・細胞の活性化、血行促進・解熱・鎮痛作用など。一般に発熱や口渇、頭痛や肩凝り、風邪といった症状に対してその改善目的で利用されています。根は秋が終わる頃に採取し、その外皮を除去して粉砕し、これを乾燥させます。利用する際は、水を用いて煎じ、飲用されています。