蒲/ガマ[がま]

ガマの概要

よく伸長する植物であり、川辺などに多く見られます。ガマ科ガマ属に分類されるガマは、古事記などの古書にもその名称が記載されており、因幡の白兎などの話で広く知られています。このウサギは傷を治すためにガマの穂を利用したとされています。また、かつては蒲団(ふとん)などにも使われており、これは熟した雌花穂は穂綿となるからです。更に蒲は近代においても至るところでその名前が入っており、例えば、鰻(うなぎ)の蒲焼などは、串刺しにして焼かれた形状が由来しており、竹輪蒲鉾もその形状に因んでいます。現在の蒲鉾はこれがそのまま引き継がれた名称となっています。蒲は薬用としてだけでなく、食用としても利用されていますが、特に若芽や若葉がその対象となります。また、デンプンが多く含まれている根茎なども食用にされています。その他、カゴや敷物を作る際にも茎や葉が利用されていた経緯があり、古くから親しまれてきた植物の一つとなります。別名では、蒲黄(ほおう)と呼ばれていて、沼などの湿地帯で日本各地に生息しています。ガマは線形をした葉を有し、成長すると幅は凡そ二センチ程度、長さは二メートルに達するものもあります。茎は直立し、浅い水底から生える多年草です。茎頂下部に穂状の花序をつけるのが雌性で、雄性は上部につけ、いずれも六月から八月にかけて見られます。茶色の柱頭を持ち、花柱はよく伸長します。尚、蒲に含有される成分では、脂肪油の他、イソラムネチンと呼ばれるフラボノイドなどがあります。

ガマ/薬草で期待される効能・効果

止血・消炎作用。主に火傷や切り傷、擦り傷、そして痔などの症状に対して、その改善目的で利用されています。また六月から八月にかけて採取した花粉を乾燥させたものが、外用として患部に塗布されています。