石榴/柘榴/ザクロ[ざくろ]

ザクロの概要

ザクロは実りの象徴として世界のあらゆる国々において利用されてきた経緯があり、古くからサナダ虫の駆除や清涼飲料として使われてきました。種皮は真っ赤になっており、裂けた果実からその姿が見られます。石榴(ざくろ)は平安時代以降に日本へ渡来したと考えられており、虫が付着しない果物として広く知られています。現在、漢方の領域においても利用されており、石榴果皮(せきりゅうかひ)、石榴皮(せきりゅうひ)と呼ばれる生薬名を有しています。ザクロと同じ仲間では、ポメグラネードと呼ばれる品種があり、これは西洋ハーブとなります。日本各地の山野に見られるザクロは、ザクロ科ザクロ属に分類されている落葉小高木となります。狭長楕円形をした葉は対生しており、ツヤが見られます。また、棘(とげ)が突出しており、これは枝が変化したものと言われています。六月から七月にかけて開花期を迎え、その際直径五センチ程度の果実を実らせます。果皮は厚めで黄赤色をしており、果実の形状は球形となっています。石榴は完熟すると裂けますが、その際、中から沢山の種子が姿を現します。含有される成分では、タンニン、ケプリン酸、エラグ酸、マンニット、そしてペレチェニンといったアルカロイド類などがあります。

ザクロ/薬草で期待される効能・効果

収斂・止瀉・消炎作用など。また条虫駆除にも利用されています。一般に、扁桃腺や風邪などからくる喉の異常の改善、口臭の改善などに使われており、また、さなだ虫や下痢といったものにも利用されています。採取は六月から八月にかけて行われ、その際、根皮及び樹皮を採取します。これを乾燥させ、水を用いて煎じたものが飲用されています。尚、秋に採取された果皮は、下痢止め用として、乾燥させたものを煎じて飲用されます。また、うがいなどにも使われており、口臭が気になる方や喉に異常を感じられる方などに適しています。