黄膚/黄柏/キハダ[きはだ]

キハダの概要

円錐花序を五月から六月にかけて枝先に現し、小さい花をつけます。その色は黄緑色で、キハダの果実は黒く熟成し球形をしています。コルク質の樹皮は淡褐色をしていて、溝が縦に走ります。厚くなった内皮は鮮明な濃黄色をしています。キハダの葉は波状の縁をもち、奇数羽状複葉となります。また数枚の小葉を有します。ミカン科に分類されるキハダは、雌雄異株で、日本各地の山に見られる落葉高木となります。樹液の流れがよくなる夏において、木質に及ぶ縦傷及び輪状をつけ、これらは一メートル程度ごとに幹に対して行います。くさびを作った傷に引っ掛けて採取したものを天日干して乾燥させたものが利用されています。キハダの果実は一年目に収穫され、育苗するために果皮を水で洗浄した後、播床にまかれます。尚、キハダは漢方の領域においても利用されており、黄柏(おうばく)と呼ばれる生薬名を持っています。これは、樹皮のことを指していて、外皮の粗い皮を除去したものとなります。通常、採取できるようになるまで成長するには、十数年の歳月が必要となっています。

キハダ/薬草で期待される効能・効果

収斂・整腸・健胃・消炎作用など。また、腸内において発酵異常による腹痛や下痢に対しても、その改善目的で利用され、急性腸炎などにも有効とされています。利用する際は、粉末状にした黄膚を一日三回に分けて摂取します。その他外用では、関節リウマチや腰痛といった症状に対して利用されています。