植物ステロール

植物ステロールの概要

植物ステロールは化学構造上、動物性のコレステロールに類似しており、植物ステロールは、植物に含有されている成分です。今までに四十種類以上が確認されていて、シグマステロール、カンペステロール、β-シトステロールの順に多く存在しています。主な作用は動物性コレステロールの吸収阻害で、これによってコレステロールが低下すると言われています。通常人間の体内へコレステロールが入ると、水溶性の微細粒子によって十二指腸を経て小腸において吸収されます。つまり、コレステロールとよく似た化学構造を持つ植物ステロールは、十二指腸において動物性コレステロールの代替物質として取り込まれるため、通常の動物性コレステロールは、腸内で吸収さにくくなり、体外へ排泄されてしまうことになります。このことから体内での動物性コレステロールの吸収が阻害され、結果として血中コレステロールが低下すると言われています。

植物ステロール/サプリメントで期待される効能・効果

動脈硬化の改善予防、前立腺肥大症による排尿障害の改善・総コレステロール値の低下など。臨床試験では、植物ステロールに含まれるジアシルグリセロールが、高脂血症によるコレステロール異常の改善に有効と示されている報告例もあります。また、動物実験の領域でも、動脈硬化の抑制や前立腺肥大症から引き起こされる排尿障害の軽快に植物ステロールが有効とされるデータが示されています。尚、植物ステロールの摂取により、腹部膨満感や便秘、下痢といった症状を訴えることもありますが、普通の食品によく似た成分で構成されているため、副作用など重大な健康被害は報告されていません。また、脂溶性ビタミン類と組み合わせて利用する場合、間隔をあけて摂取するのが良いとされています。これは植物性コレステロールが脂溶性ビタミン類の吸収を阻害してしまうからです。