ナイアシン/ニコチン酸/ニコチンアミド/ビタミンB3[ないあしん/にこちんあみど]

欠乏症:ペラグラ皮膚炎、口舌炎、胃腸病、皮膚炎など。過剰摂取:神経過敏、腸痙攣、下痢、悪心、頭痛、フラッシング(ニコチン酸において、顔が紅潮してかゆくなる症状)。ナイアシンは、ニコチン酸やニコチン酸アミドなどの総称でビタミンB3とも呼ばれます。脂質や糖質、タンパク質の代謝を促し、体内で必要とされるエネルギーのうち、約60%~70%は、このナイアシンから作られます。心筋梗塞の再発を防いだり、血行改善、脳神経の働きを高めたりすると言われています。また、喘息を抑えると言われ、肝臓のコレステロール値を下げる効果もあると、言われています。ナイアシンは、アルコールで二日酔いの要因になるアセトアルデヒドを分解する時の補助酵素としての作用もあります。更にナイアシンにおいては、人の体で、必須アミノ酸のトリプトファン60mgからナイアシン1mgが合成されます。ペラグラは日本人ではアルコールに依存するケースで見受けられる症状です。もともと玉蜀黍(とうもろこし)を常食とするアメリカやヨーロッパの人々に多く見られた症状で、これはトウモロコシ以外の食品をあまり摂取せず、トリプトファンが少ないといったことが理由になっていました。通常、ペラグラを発症すると、皮膚炎や下痢といった症状を訴えます。更に悪化すると神経障害からくる頭痛や憂鬱(ゆううつ)といった症状を引き起こすこともあります。 ナイアシンの基準摂取量(水溶性ビタミン)
男性
年齢 推定平均必要量(mgNE/日)
1NE=ナイアシン当量
上限量:ニコチンアミド【ニコチン酸】
(mg/日)
18~29 13 300【100】
30~49 13 300【100】
50~69 12 300【100】
70以上 300【100】
女性
18~29 10 300【100】
30~49 10 300【100】
50~69 300【100】
70以上 300【100】