最近、バランスの摂れたものを食べていないなと思いながらスーパーで食材を探していると、ありました。低カロリーでまさに理想的な栄養素をたっぷり含んだ食材が。ビタミンやミネラルの宝庫である「海のミルク」とも言われている牡蠣。カキフライ、土手鍋、焼き牡蠣、バターソテー・・・調理の仕方も様々。しかも今は旨み成分を蓄えるという「R」のつく月である11月。以前、亜鉛不足からなる軽い味覚障害に陥った身としては是非とも摂取しておきたい。さてそこで悩まされるのが生食用と加熱用のどちらにするか。生食用なら新鮮なのか?と言うと違います。生食用とは紫外線で滅菌処理された牡蠣を指すもので、生で食べても安全な海域で養殖されたもの。加熱用はその処理がされていないため美味ですが、必ず加熱して食べなければ食中毒を起こす危険性のあるもの、と区別されているようです。今回は調理してからということで加熱用の牡蠣を購入しました。なお、生食用の牡蠣を加熱しても美味しくないということです。
牡蠣の栄養・効能
たんぱく質、脂質、糖質、亜鉛などバランスよく含む。世界中で100種類以上ある牡蠣のうち、真牡蠣(まがき)、ナガガキ、イワガキなど日本沿岸には22種類ほどあります。味、大きさも産地によって異なります。海のミルクと言われるほどの高い栄養価をもち、100グラムのうち13.2グラムと食材の中でもトップクラスの亜鉛を含んでいます。新陳代謝を促し、味覚障害や皮膚炎などの予防と改善に効果があります。一日に必要な亜鉛量を牡蠣二個で補えると言われています。アミノ酸の一種であるタウリンは人体にも存在し、筋肉、骨格、脳、肺などに分布しています。脂肪燃焼を促進し、血圧やコレステロールを調整してくれます。鉄分と鉄の吸収を助ける銅を多く含むため、貧血の予防にも効果が期待できます。旨み成分であるグリコーゲンは肝機能を強化する働きがあります。100gあたり60Kcalで1個が約10Kcalの低カロリーですからダイエットにも適した食材かと思われます。
カキフライ
材料
加熱用牡蠣・・1パック(10個くらい) 卵・・1個 小麦粉・・適量 パン粉・・適量 塩コショウ・・適量 タルタルソース レモン
- 牡蠣は塩水か、おろし大根で軽くもみ洗いしてから冷水で洗い流す。牛乳に浸しておくと臭みがとれます。(牡蠣の下ごしらえはとても重要です)
- キッチンペーパーなどで水分をよく拭きとる。
- 小麦粉、卵、パン粉の順で牡蠣に衣をつける。
- 熱した油で、こんがりキツネ色になるまで揚げる。
- レモンとタルタルソースを添えて出来上がり。大根おろしにポン酢も美味しいですよ。
サクサクの衣に中はジューシー。牡蠣料理の中ではカキフライが一番好きかも。牡蠣は本当に油と相性が良いですよね。パン粉は好みが分かれますが私は衣は少ない派なので細めのフレークを使いました。
牡蠣ご飯
材料
加熱用牡蠣・・1パック 生姜・・1カケラ 卵・・1個 出汁・・適量 薄口醤油・・適量 料理酒・・適量 塩・・一つまみ
- カキフライ同様、牡蠣を洗い、下ごしらえをする。
- 出汁、千切りにした生姜、醤油、料理酒、塩を沸騰させ、牡蠣を入れて2分ほど軽く煮る。
- 煮汁と牡蠣を分けて、米をとぎ煮汁だけを入れて炊飯ジャーで炊く。
- 錦糸卵を作っておく。
- ご飯が炊けたらすぐに牡蠣を入れて5分ほど蒸らす。
- 錦糸卵をのせて出来上がり。青ネギやゴマを散らすのもいいですよ。
何なんでしょうか・・・牡蠣の旨みが凝縮された一品です。カキフライとはまた違ったジューシーさです。
これに土手鍋があれば、まさに牡蠣尽くしなのですが、食べ過ぎると逆に高血圧や高カルシウム血症などを引き起こすので何事もほどほどにしておかねばなりません。ちなみに古代ギリシャやローマなど世界各地で食されてきました。ジュリアス・シーザーのイギリス遠征はテムズ川河口の牡蠣を手に入れるためと言う説があるそうです。日本では縄文時代から牡蠣を食されていたようで貝塚では牡蠣の殻がたくさん見付かっています。古代の英雄たちも牡蠣を好んで食していたなんて、なんだかロマンを感じますよね。