梅雨から夏にかけては一番食材が腐りやすい時期ですよね。十分な手洗いと加熱処理は必須です。加えて私は冷凍できるものは購入したらすぐに冷凍保存しています。本当にあっという間にカビが生えちゃいますから。特に生ものは避けたいですし、鮮度の落ちが早いものは体調の良し悪しで食中毒を引き起こしかねません。かと言って、この時期にしか味わえない物があるのも事実。しかし有難いことに日本にはワサビをはじめ殺菌効果のある食材もたくさんあります。日本料理に必ずと言っていいほど香辛野菜が添えられているのは、彩(いろどり)の他に防腐作用や整腸作用の効果があるからなのです。香辛野菜には殺菌の他にも免疫力を高めてくれるので、疲労が蓄積される初夏には毎日少量でもいいので摂取したいものです。そこで今回は数ある中から初夏が旬の大葉と生姜を選んでみました。
大葉と生姜の効能
大葉
カロテン、ビタミンB2・C、カルシウムが豊富。抗酸化作用が高い香り成分のペリルアルデヒドには殺菌効果、食欲増進効果があると言われています。リノール酸、α‐リノレン酸などの脂肪酸も含み、血行促進や動脈硬化の予防、免疫力を高める効果も期待できます。
生姜
辛み成分であるジンゲロール・ジンゲロン・ショウガオールが代謝を活性化させ血行を促進します。疲労回復、排尿を促し、むくみを防ぎます。大葉と同じく抗酸化作用が高く、香り成分であるジンギベレンやシトロネラールには消臭・抗菌作用があります。細かく刻んだり、すりおろすと香りや薬効が高まります。
冷汁
材料:キュウリ 大葉 青ネギ ゴマ 生姜 味噌 出汁
- キュウリを薄く輪切りにする。大葉を縦3等分にしてから細く千切りする。生姜はおろしておく。
- フライパンで香ばしく炒ったゴマをすり鉢でよくすり潰す。
- 鍋に出汁を入れて沸騰したら味噌を入れる(味噌汁を作る要領)。火を止めてから輪切りにしたキュウリ、すり潰したゴマ、おろし生姜を入れる。
- 十分冷ましてから冷蔵庫で冷やす。
- ご飯に冷汁をかけて大葉と青ネギをちらす。
炊きたてのご飯だと冷汁が少々ぬるくなってしまいますので、ご飯を冷ましてから冷汁をかけると冷たいまま召し上がれます。
この冷汁というものですが色々な地方で食べ方の違う料理なんですね。鯵(あじ)を焼いてほぐしたものを入れたりもするとか。私は昔、東京の方に教えていただいたのですが、上記の通り鯵は入れていませんでした。関西では冷汁そのものを聞いたことがなかったのですが。初めて聞いた時はキュウリが入った味噌汁を、しかも冷やしてご飯にかけるなんて・・・とちょっと引いてしまいましたが、食べてみると意外にさっぱりしてて一時期嵌ってました。ご飯にかけるのは抵抗があるという方は、うどんや素麺にかけてみてはどうでしょうか。焼き魚も鯵の他に鮭なんかでも良さげです。ちなみにキュウリに含まれるカリウムやイソクエルシトリンの成分が利尿作用を高め、ケイ素は髪や爪の健康に良いとされています。これから夏バテの心配もしないとですし、冷奴にも大葉と生姜をたっぷりのせて常に香辛野菜を使った簡単料理を一品、食卓に置きたいですね。