断食による血糖値/血圧/体重の変化
血糖値の高い人が断食をすると、その数値は低くなる傾向にありますが、通常であれば少し低下するのみです。ブドウ糖を必要とする組織では脳細胞や血球などがあげられます。エネルギー源となるブドウ糖の原料はグリコーゲンですが、これらの成分の蓄えはおよそ12時間程度です。断食すると当然ブドウ糖が消費されてなくなってしまう訳ですが、その場合、体内に存在する蛋白質を原料として糖を生成します。対象蛋白質は炎症細胞や癌細胞といった病的な組織も含まれ、これらの蛋白質をアミノ酸に分解し、コーチゾルの働きから糖が産生されます。コーチゾルはホルモンの一種で糖質分解の作用を有し、副腎皮質から分泌されます。
断食開始後、しばらく強い排泄作用が認められる場合、血圧が一過性に高くなることがあります。これは代謝機能が亢進するためで、血流が腎臓などの臓器で改善されることに原因があると言われています。通常、終了時にはあまり変化が見られませんが、もともと高血圧だった場合は低くなる傾向にあります。また、体重も初期段階ではその減少が著しくなります。これは体内に蓄積されていた過剰な水分が出て行くことや排尿が改善されることに由来するものと言われています。肥満者ほど体内に溜まっている余分な水分が多いため、体重の低下も極端で、痩せ型の人ほど、この傾向は少なくなります。