灰白質/三つに大別される大脳

位置によってその働きを役割分担している大脳新皮質ですが、言語野は前頭葉や側頭葉、後頭葉にそれぞれ役割を振り分け、話す、読む、聞くなど各要素に対応します。前方運動野には深い中心溝が見られますが、こちらは体の運動を司ります。その中心溝の後部に位置する感覚野では、その字のとおり感覚に関わる体の知覚を処理しています。 脳幹は一番内側に位置し、その周囲を大脳辺縁が取り巻くように存在します。最も外側に位置する大脳新皮質はこれらを覆っています。大脳はこれら三つの部分から構成されています。脳幹は爬虫類の脳とも呼ばれており、体温維持や呼吸機能、脈拍のコントロールなどを司ります。大脳辺縁系は記憶や感情、本能などを処理する部分であり、脳幹の次に発達した部分と言われています。大脳新皮質は、考えたり、言語処理したり、芸術、創造、学習などに対応する部分で、これらの三つの器官の内、一番最後に進化した部分で、人間以外の高等動物にも見られます。 脳の内部には白質と灰白質が見られます。前者は神経細胞から伸長した軸索が走っており、後者は神経細胞が収まっています。また、白質は断面図で白っぽく写り、灰白質(かいはくしつ)はグレーに移ります。