マクロファージが過酸化脂質を処理できなくなると・・・
LDLやコレステロールなどが過酸化脂質へと変化した場合、この不要物からの損傷を極力小さくするために、血中ではマクロファージが作用します。この物質は白血球の仲間ですが、血中に存在する不要物が過剰になってしまうときちんと作用しなくなります。つまり、マクロファージがその処理能力の限界を超えることで、不要物を吸収したまま機能を停止し、これが血管壁へと沈着していきます。アテローム性若しくは粥状動脈硬化と呼ばれているものはこういった過程を踏んで発生します。また心筋梗塞や脳梗塞などは、この沈着したものが剥離して、血管内のどこかで詰まってしまうことで発生します。更に血管が沈着したものによって狭窄を招くと、高血圧の発症となります。いずれにしても活性酸素からの害を減少させることが大切であり、これには抗酸化物質の摂取などが該当します。
現在、血液中のコレステロールを下げるには不飽和脂肪酸であるオメガ3を十分に摂取する一方で、とかく多く摂取しやすい傾向にあるオメガ6の摂取を控えることが重要とされています。昔は、オメガ6系やリノール酸に心疾患を予防する効果があると言われていましたが、これはコレステロール低下を一過性に引き起こすためです。しかし近年の研究では長期的な視野から低下させないことが解明されているため、オメガ6系やリノール酸などは有用でないと言えます。また、オメガ6の過剰摂取はオメガ3とのエイコサノイドの均衡を崩壊させるため、身体の様々な箇所で、炎症や血栓傾向を呈する可能性が上昇します。更にこういった現象は、活性酸素の発生を助長するため、体の至る所で損傷を招いて、様々な生活習慣病を引き起こす確率が高くなってしまいます。