断食中のノルアドレナリンとアルドステロンの変化
アドレナリンやノルアドレナリンといったホルモンは副腎髄質から分泌されますが、断食によってその量は増えます。グリコーゲンはブドウ糖の原料になる物質ですが、この物質は肝臓に貯蔵されており、断食によってブドウ糖へ転換させられます。それでも足りなくなると、これらのホルモンは中性脂肪を遊離脂肪酸に転換していきます。食物が体内に入ってこなくなると、利尿の働きが亢進し、同時に塩分も排出されてしまいます。体内の塩分が減少すると低血圧を招くリスクが生じますが、これらのホルモンは心拍数を増やし、血液量を保つことで血圧を維持しようと働きかけます。尿から塩分を再度吸収する腎臓では、その再吸収をアルドステロンと呼ばれるホルモンによって行っています。このホルモンは、酵素であるレニンと呼ばれる物質が腎臓から分泌され、それが副腎に作用することで分泌されます。アルドステロンは電解質ホルモンのことであり、血圧低下を体が認識すると、腎臓からレニンが放出されて、塩分減少から発生する低血圧のリスクを取り除きます。
ダイエットを行った場合、体重減少の比率が鈍くなっていく時期があります。多くの人が経験していると思われますが、これは甲状腺ホルモンの活性低下に由来します。このホルモンはもともと代謝を高める作用を持っていますが、その分泌量が少なくなると基礎代謝も下げてしまいます。これは人間が少ないカロリーでも生きることができるようにするための機能であり、ダイエットを行う人が通る苦難の通過点でもあります。