線維芽細胞~アキレス腱~
アキレス腱は通常、膠原線維の束で形成されています。この線維は線維芽細胞より生成されたもので、当該細胞は平常時何もなければほぼ非活性の状態で線維間に認められます。断裂など、問題が発生するとすぐさま活性化し、その量を増やしていくメカニズムになっています。修復過程では、線維芽細胞が膠原線維を押し広げて活動しますが、これは従来アキレス腱内部に隙間がほとんど存在しないためです。
再生の開始時には線維芽細胞をはじめ、白血球や線維が断裂面において絡み合って存在します。その活動は断裂時ととき同じくして行われ、線維芽細胞が活性化します。増殖時には、線維間が解きほぐされた空間で実施され、修復過程において線維は分散していきます。
こうして新しく生成された線維ともともと存在する線維が馴染むように束となり、次第に腱が修復されて行きます。動物実験ではおよそ一ヶ月強で古い線維と新しいものとの区別がつかなくなり、線維芽細胞自体は線維間の隙間におさまって活動を低下させ、次回に備えるようです。