老廃物の燃焼と体温の上昇

断食を継続した場合、多くの人が体の温度を高めます。通常、体温の維持は食物の摂取によって行われていますが、これらの栄養素は様々な過程を踏んで、発熱に至ります。食物が胃腸に届くと、これを消化器官で消化した後、吸収されますが、発熱のもととなる糖や脂肪、蛋白質といった栄養素が実際に熱を発生させるまでには多くの過程を踏まなければなりません。しかし、食物の摂取を遮っている場合、これに対応するため今まで蓄積されてきた血液中の余分な糖や脂質、そして老廃物などを発熱の原料として利用し出します。当然、消化吸収して新たに熱源を補給するより、もともと体内にあった栄養物や老廃物を利用する方が効率的であり、体への負担も軽減されることになります。食物の取入れを遮っている間は、こういった理由によってより高い体温上昇を導いているものと考えられます。このことは体内を循環する血液に含有される汚れをエネルギーとして燃焼させているとも考えられます。また、断食を実施するということは、排泄活動を高めるのみならず、体の中の老廃物を燃やすことによって、疾患を招く因子を除去しているとも言えます。 鳥の卵の例で言うと、雛をかえす時があげられます。通常雛をかえす際、数週間程度は食べ物をあまり摂取しません。これは親鳥の体温を使ってかえすのが、本能になっているようです。仮に、摂取した栄養素から発するエネルギーの方が、体温上昇に効率的なのであれば、もっと積極的に栄養素を補給するものと推測されます。それをしないということは、食べ物を摂取して体温を上昇させるより、摂取しないで上昇させた方がより効率的なのだとも考えられます。